気持ちいい~ストレッチのおススメ

効果的なリラクゼーショントレーニングを

皆さんは「知らず知らずのうちに、どうもくいしばっているみたいだ」とか、「肩こりや頭痛が激しくて…」といったことはありませんか?

 

くいしばりは体や心のストレスと関わっています。

例えば、何かいやなことがあったとき、怒られているとき、くやしいとき、イライラしているときに無意識にくいしばっています。

それが長く続いたり、くいしばりの力が強すぎたりすると、歯に影響するだけではなく肩や頭の痛みまで生じることがあります。

くいしばりは噛む筋肉が緊張している状態で、それらは肩や頭にもつながって一緒に緊張するからです。

今回ご紹介するストレッチは、当院でお勧めする首や頭の筋肉のリラクゼーショントレーニングです。筋肉が伸びた状態をゆっくり味わっていただく、「気持ちい~!ストレッチのおすすめ」です。

 

筋のリラックスを覚えると逆に筋の緊張に気づくことができ、無意識にしていた噛む筋肉の緊張に気づけばくいしばりをやめることができます。

実はこのストレッチは顎関節症の方の痛み症状改善にも効果的です。
何よりちょっとしたストレッチで「ふう~っ」と一息ついて気持ちよくなれるのが魅力!
とても簡単ですので、ぜひお試しください。

 



ストレッチのコツ

 

これからご紹介するストレッチは、筋肉が伸びた状態を気持ちよく感じていただくことが大切です。
いつも無意識に緊張していた筋肉はいわゆる「こっている」状態で、ぎゅっと硬くなっています。

始めはストレッチをしようとすると突っ張る感じで痛みを覚えることがあります。
そのときは、無理せずできるところまで伸ばせばよいと考えてください。
突っ張った感じがするところほど数日かけてゆっくりと焦らずに伸ばすつもりで、1日に3~5回程度、ちょっとしたおヒマな時間にストレッチを続けてください。
毎日続けると、必ず突っ張りなく筋を伸ばすことができるようになります。

ストレッチの時のポイントは次の3つです。

1)ゆっくりと息を吐きながらストレッチし、5~10秒間はその状態をキープする。

2)いずれも、ほんの少し手助けしている程度の力で手を頭に添える。
  一生懸命曲げようとするのは間違いですので要注意!

3)「今、このあたりの筋肉が伸びてるなあ」と意識する。
   「ふう~っ、気持ちいいなあ」と感じられれば理想的!




筋の緊張が強いとき、すごくこっているときには温シップ!


筋をうまく伸ばせないとき、こりが強くて痛みが激しいときには、ストレッチの前に筋肉をほぐれやすくする温シップマッサージが効果的です。


1)濡らしたタオル1枚をレンジでよく温め、それを乾いたもう一枚のタオルにくるむ。

2)両方の頬を包むようにアゴの下からあてて、ゆっくり頬から首、頭の筋をマッサージする。

 お風呂で温まりながらのマッサージでも同じ効果がありますので、ぜひお試しください。



筋の緊張をほぐす頭・首・肩のストレッチ


●ストレッチ(1)前屈
:アゴを引いて、手は頭に添えながらゆっくりとアゴを胸につけるように前屈する

 


●ストレッチ(2)回旋
:肩ごしに遠くを見るようにゆっくりと頭を回す

 


●ストレッチ(3)斜屈
:頭に手を添えて、脇の下に鼻をつけるような気持ちで頭を斜屈する
(左右それぞれ行う)

 


●ストレッチ(4)側屈
:右手を上から左側頭部に添えて、ゆっくりと頭を右に傾ける。この状態で頭をゆっくり前後に動かす(左は逆に行う)
(左右それぞれ行う)

 


●ストレッチ(5)伸展
:頭をゆっくり後屈して、さらにアゴを天井に突き出すように伸ばす

 


 


【おまけ その1】

 

デスクワークの時間が長い方は同じ姿勢が続くので、肩こりでお悩みになることが多いようですね。
「疲れたな」と感じた時に肩の筋の緊張を緩める簡単な動作法をご紹介します。

1)ゆっくり力を入れながら肩を挙げる。
 これ以上は挙がらないと思うところで2~3秒キープする。


2)ふうーっと息を吐きながら力を一気に抜く。

この動作を数回繰り返すと肩の筋が緩みますので、姿勢を正して座りなおし、この筋がリラックスした状態でまたお仕事をスタートしてください。

 

 



【おまけ その2】

かみしめする方にぜひお勧めしたいのが、舌の位置を意識したかみしめ防止トレーニングです。

1)N-Rest
:舌の先端を前歯の裏側の付け根(切歯乳頭部)につけて、上下の歯はかみ合わせずに少し開けて、アゴの安静位を保つ。


2)N-Stretch
:N-Restの状態から舌先を切歯乳頭部につけたままでゆっくりと口を開き、5秒間保つ。
 以上の動作を1セット6回、1日に6セット繰り返す。

 



終わりに

 

最近、かみしめはストレスに体が自然と反応して起こるもので、ストレス解消の一つになっているのではないかと考えられています。
だとすれば、かみしめ自体はだれにあっても不思議なく、歯の問題や肩こり・頭痛などの症状が出ない程度なら心配ありません。

でももし歯が欠けたりグラつくなどの症状があったり、筋肉のこりや痛みがあるなら、それは「ストレスかかりすぎ!」と教えてくれる体の危険サインととらえることができます。

過剰な筋の緊張を続けないようにするために、毎日のストレッチで筋のリラクゼーションを意識することと、緊張の原因となるストレス自体にも目を向ける必要があるかもしれません。


2019年07月01日