ワンタフトブラシを使ってみよう

 

ワンタフトブラシって?

 

みなさんは歯ブラシを使って歯を毎日磨いていますよね。

でも、なんだか磨きにくい、歯ブラシが当てにくい、吐き気がして歯ブラシを奥へ入れられないなどの悩みをお持ちではないですか?

今回ご紹介するワンタフトブラシはそんな悩みを解決するスグレモノです。

 

 

理想的には、ひとりひとりのお口の状況をみせて頂いた上で当て方をお教えしたいのですが、できるだけ多くの皆様に使っていただきより効果的なプラークコントロールができるようにと考えて、トピックスに取り上げました。

ご自分のお口の中を鏡で見ながら、「これだ!」と思うところに使ってみてください。

歯磨きがもっと楽しくなりますよ。
  
歯の形はすべての面が三次元的な凸凹でできています。

だから、歯ブラシだけですべての面をきれいに磨くのは至難の業。
 
ワンタフトブラシは、狭い部分まで細かく磨けるワンタフトヘッドでできています。

歯面についたプラークをこすり落とすのではなく、毛先でプラークを破壊し、毛細管現象でプラークを吸い取る仕組みで歯を清掃します。

 



ワンタフトブラシの使い方

 

効果的に使うための持ち方は、エンピツ持ちと握り持ちです。


①エンピツ持ち
最も安定する持ち方です。細かなストロークができます。力を抜いて、ふんわりとやさしく握りましょう。  

 


②握り持ち
親指をくぼみに安定させて軽く握ります。

 

上顎の歯の裏側を磨くときに適しています。
ひじをついて磨けば、安定して腕が疲れません。

 


ワンタフトブラシは、毛先を歯面にやや押し付けるようにして、ハグキの溝にわずかにブラシの毛先を入れます。

そこで細かく振動させると、毛細管現象によってハグキの溝にたまったプラークを吸い込むことができます。大きくゴシゴシ動かす必要はありません。
  






ワンタフトブラシをどこに使う?

 

ワンタフトブラシを次のような部位に使うと、虫歯や歯周病の原因となるプラークを効果的に落とすことができます。

 

あなたのお口に当てはまるのはどんな所でしょうか?

①生え始めの歯や親知らず
生え始めの歯は表面のエナメル質がまだ未熟なため、特に虫歯になりやすい所です。

頭を出したばかりの歯は、歯ブラシではハグキを痛めてしまうので磨きにくいですね。


歯が完全に生えるまでには1年近くの時間がかかります。

その間はとなりの歯よりも低いところにあるので、普通に歯ブラシを当てていたのではとてもプラークは落とせません。


プラウトならハグキから頭を出したばかりの歯をやさしく磨くことができます。

鏡を見ながら歯にブラシの毛先を当てて微動させることでプラークが取れます。

また、高校生頃から生えてくる親知らずは傾いていることが多く、なかなかハグキから完全に頭を出しません。
そのため歯ブラシでは清掃しにくく、ハグキが炎症を起こして腫れることがあります(智歯周囲炎)。

 

親知らずまで歯ブラシを入れるのはたいへんですが、プラウトならヘッドが小さいので簡単です。
  


②複雑な形の歯


歯の形は意外と複雑で、特に上顎の前歯の裏側や、奥歯の溝は歯ブラシを当てにくいところです。

 

中でも、上顎の前歯の裏側にシャベル状のくぼみがある場合、目で直接見えないため知らないうちに重症の虫歯になっていることがあります。

 

また、歯周病にかかるとハグキがやせて歯根が露出してきます。

歯根はいくつかに分かれた形をしているので歯の頭の部分以上に磨くのが難しく、放っておくとさらに歯周病が進んで歯が抜け落ちることがあります。

 

このような複雑な形を磨くならワンタフトブラシがとても便利です。

 


③歯並びの悪いところ


歯並びが凸凹していると歯ブラシがとても当てにくく、よほど気をつけて磨かない限り常にプラークが溜まって汚れがとれないところができるものです。

特に、歯と歯が重なっていたり、一本だけ倒れこんでいたりすると、歯ブラシをきちんと当てることは容易ではありません。

 

 

日本人に多い八重歯の場合、前に飛び出た犬歯ばかりが歯ブラシにあたってハグキを痛めたり、隣の歯はちっとも磨けていないことがあります。

 

歯並びの悪い方はできるだけ鏡を見ながら一本ずつワンタフトブラシでプラークを落とすことをお勧めします。
  


④矯正装置やインプラント

 

歯並びの治療に使用する矯正装置は形がとても複雑で、プラークが溜まりやすく、しかも歯ブラシでは磨きにくいため虫歯や歯周病になりやすいリスクがあります。

 

せっかく歯並びを良くしても、装置をはずしたら歯が虫歯だらけでボロボロということにならないように、細かく磨けるワンタフトブラシを必ず使いましょう。

また、顎の骨に歯根の代わりに埋めるインプラントは、ハグキの炎症があると安定しません。

 

インプラントの周りのハグキはとてもデリケートなので、ワンタフトブラシでやさしく丁寧にプラークコントロールすることが必要です。
  


⑤その他
 

特にお勧めなのは、嘔吐反射が強くて歯ブラシを奥歯に入れられない方です。
ワンタフトブラシなら小さなヘッドなので吐き気を起こすことなくプラークをとれるでしょう。

成人の方で奥歯が一本だけ残って傾いている場合にも、ワンタフトブラシを使えば歯ブラシよりお掃除しやすいです。



また、乳歯を磨くときには小さ目の歯ブラシをお使いと思いますが、上顎前歯の正中には小帯があるので痛がりませんか?
そんなときには前歯だけワンタフトブラシで磨いてあげましょう。

小帯を傷つけることなく、やさしい磨き心地でお子さんもきっと喜びますよ。


  



歯磨きはリラックスして行いましょう

 

皆さんは夜の歯磨きをどこでどんな風に行っていますか?

虫歯と歯周病を予防するためには、一日に一回、ゆったりとリラックスして歯磨きを行いましょう。

洗面所で立って磨くのは結構疲れてしまうものです。
ソファーに腰掛けながら、あるいはお風呂場で湯船につかりながら、時間をかけて歯磨きする習慣をつけると、歯磨きが面倒ではなくなりますよ。

まず歯磨き剤を付けずに歯ブラシでゆったりと磨き、最後に鏡を見ながらワンタフトブラシで自分のお口のリスクポイントをきれいにすれば、健康な歯とハグキが保てること間違いなしです!

 

歯やハグキのトラブルを予防することで、おいしく食事ができ、素敵な笑顔が見られますように。

(本文ならびに症例写真を除く写真や図はオーラルケア社発行の「ワンタフト・ブラッシング」を参考にさせていただいています。)


2019年07月01日