おかもと歯科オススメの絵本たち
今回のトピックスでは、絵本大好き!副院長が選んだ歯に関する絵本を、2回にわたりご紹介します。
勝手な書評つきで恐縮ですが、数ある中から「これはいいかも!?」と感じた味のある作品ばかりです。
ぜひ親子で読んで楽しんでいただきたいと思います。
※当サイトでご紹介する絵本の写真は、各出版社に許可を得て載せています。
ハミガキが苦手なお子さんに
「はみがきだいすき」
(たけいしろう作、もうりまさのり絵、国土社)
ハミガキを勧める絵本は結構たくさんありますが、2~3歳のお子さんにぴったりの見やすい絵とめくりやすいページ、「うわあ、いやだ~」と声をあげたくなるバイキンくんたちの様子がgoodです。
当院の待合室に置いてあり、お母さんのひざの上で読み聞かせる姿がよく見られます。
ねこくんがバイキンだらけのお口で泣いているところはインパクトが強烈なようで、とっさに「ぼく、ハミガキしてるもんね!」とお母さんに確認するお子さん。
微笑ましいです。
歯が抜けそうなお子さんに
自分の歯が抜ける、これはお子さんにとってかなり衝撃的な出来事です。
特に、初めて前歯がぐらぐらしてきたときは、不安と期待に胸がドキドキワクワクした経験をお持ちではないでしょうか。
誰でも一度は味わうこのドラマチックな経験を題材にした絵本をご紹介します。
「はがぬけたとき こうさぎは」
(ルーシー・ベイト文、ディアン・ド・グロート絵、川津千代訳、リブリオ出版)
うさぎといえば、前歯2本が大きいのが特徴。
このうちの1本が初めて抜けようとしているこうさぎのドキドキワクワクを伝えるお話です。
この絵本を選んだ一番の理由は、絵が素敵だということ!
表情豊かなこうさぎと、それを見守る温かい目の親うさぎが印象的です。
グラついた前歯ではいつもの食事がかめないので、奥歯で野菜、前歯でプリンやアイスを食べるこうさぎ。
毎日ちゃんとおいしいデザートがあって、なんだかちょっと特別な待遇をうけている感じ。
歯が抜けそうなお子さんなら、「いいなあ、わたしもそうする!」とうらやましがるのでは。
そしてあるとき歯が抜け落ちます。
欧米では、抜けた歯を枕の下に置いて寝ると、歯の妖精(これはねずみだったりします)がお金にかえてくれるという言い伝えがあります。
絵本の中のこうさぎも、妖精を信じて枕の下にそっと歯を隠すのでした。
抜けた歯をどうしようかと思案するところは、屋根の上や軒下に投げて捨てるのが慣習の日本にはない、贅沢な時間に思えます。
最近の日本では、投げ捨てる場所がないという住宅事情もあって、お子さんの歯を大切に取っておくお母さんたちが増えているようです。
この絵本を読みながら、お子さんと一緒に「抜けた歯、どうする?」と相談してみては?
歯医者さんも大変ねえ、とつぶやきたくなる1冊
「ねずみの歯医者さん アフリカへいく」
(ウイリアム・スタイグ作、木坂涼訳、セーラー出版)
この本に登場するのは、ねずみの歯医者 ソト先生と、その奥さんで助手のデボラさん。
このご夫婦は船に乗ってアフリカまで旅をします。
その目的は、なんとゾウの虫歯治療!
虫歯が痛くて食事ができない憂鬱そうなゾウの表情、その牙にまたがって治療の相談をするねずみご夫婦。
それだけでもなんだか楽しいのに、ねずみのソト先生はある晩アカゲザルにさらわれて、ジャングルの奥にとじこめられてしまうという事件が起こります。
さて、いったい先生はどうなるのでしょう。
そして痛みをこらえてベソをかくゾウは無事治療を受ける事ができるでしょうか!?
この絵本に一貫して流れるのは、人生を明るく楽しむ気持ちと人助け(ゾウ助け)の精神、そして、自分のパートナーを信頼して支えあう愛!
作者紹介によれば、ウイリアム・スタイグさんは60歳を機に子どもの本に力を注ぎ始めたとのこと!しかも、この絵本の発行年(アメリカ)は1992年で、なんとスタイグさん84歳にあたります!(その後95歳で没)
人生をたっぷりと満喫した方が描く味わい深い作品、ぜひゆっくりと眺めてください