4月に入り、気温がだんだんと高まってきました。
桜は満開、花壇の花や緑も生き生きして見えます。
ちゃんと春を感じて球根から花を咲かせるチューリップやフリージアをみると、快適さを優先して空調で室内の温度を一定にしがちな私たちは、季節を感じ損ねているように思えます。
春の景色や食べ物に引かれるのは、心が季節を欲している証拠かも?
さて、当院では成長期の矯正治療として呼吸や咀嚼、嚥下の機能訓練を取り入れています。
筋肉の使い方は歯並びや顔立ちに影響するので、できるだけ若いうちに改善すると、バランスの良い成長へと導くことができます。
その中にガムを使うおいしいトレーニングがあります。
奥歯ですりつぶすような動きで噛みながら味わい、頬や舌でかたまりとしてまとめて左右に移動し、またすりつぶしを繰り返す、ガムは咀嚼のよい練習になるんです。
ところが、小学生でガムを噛んだ経験がない!というお子さんが結構いらっしゃいます。
グミは食べるんですけど、とのこと。
そういえば、昭和生まれの自分がガムを食べたのは、おそらく髪を切りに「とこやさん」へ行くともらえた、オレンジのフーセンガムが最初かも。
親はガムを買い与えるようなことはなく、遠足のおやつ選びでガム禁止だったし。
つまり、あのオレンジのガムをもらわなければ、私もガム経験のない小学生だったかもしれません。

ガムは食べ物でありながら、飲み込まず噛み続けるもの。
未体験のお子さんにとって不思議な感覚のようです。
特に日頃の食事で噛む習慣が少ないお子さんは、ガムをどこでかんでいいのかわからず、前歯でもぞもぞしたり、ひと固まりにして動かすことが上手にできなかったりします。
筋肉が弱いと、噛み続けることで疲れたりもします。
トレーニングで使うガムはやや硬いので、あらかじめ市販の板ガムなど柔らかめで練習しておいてと声をかけるようにしています。
ましてや、ガムでフーセンを膨らますなんで難易度が高い!
ピーヒャラ笛(正式名称:吹き戻し)や普通のゴム風船でさえ吹けない、膨らませないといわれる今どきのお子さんにとって、ラスボスと言っていいほど攻略しがたいアクションかもしれません。

自分でも、ガムでフーセン作ったのはいつだったかな?記憶にないくらい昔です。
ぜひ大人の皆さんも久しぶりにガムでフーセンを膨らましてみてください。
フーセンが作れたら最高!お子さんに自慢しましょう。
できなかったら、自分の口の機能の衰えに驚愕するかも⁈
お口の筋トレにぜひガムをご活用ください。