歯周病は気付きにくいから
6月4日を中心としてむし歯予防週間があります。
この取り組みはずいぶん皆さんに広まってきましたが、「歯周病予防週間」というのは聞きませんよね。
むし歯というのはご存知のとおり歯の病気。
むし歯になると、まず冷たい水や甘い食べ物がズキーンとしみて、なんだかおかしいぞという危険信号で歯の異常事態を知らせてくれます。
ところがハグキの病気である歯周病では、ある程度病状が進んでも痛みを感じません。
そのためなかなか異常事態に気が付かず、痛みが出たときには歯がグラグラと揺れてもう手遅れ、なんてことが少なくありません。
成人になってから歯を失う原因の多くは歯周病なのです!
そこで今回は簡単にできる歯周病チェックを取り上げます。
ハグキの健康に自信がある方も、ちょっと不安な方も、是非一度チェックしてみましょう。
歯周病チェック!してみよう
さあ、下の表の各項目ごとに当てはまるところを選んで、その点数を合計してみましょう。
あなたのハグキは健康ですか?
上のチェックであなたは合計何点でしたか?
健康といえるのは0点のみ!
※1~6点の場合は歯周病が進行している可能性があるので、要注意。
ひどくならないうちに治療が必要です。
※7~12点の場合は歯周病がかなり進行しています。
急いで歯科医院へ走ったほうが良さそうです。
いかがでしたか?
ちょっときびしいかもしれませんが、歯周病が始まりかけている人は早く治療を開始すれば早く治ります。
1~3点の人も、たいしたことない、ではなくて、えっ、始まっているの!? という危険信号であるととらえてください。
歯周病の4つのS
歯周病とは、歯垢(プラーク)の中にいる歯周病原菌によって歯を支えるハグキや歯槽骨がダメージをうける病気です。
歯周病の初期はハグキの炎症だけですが、進行するとハグキが腫れて膿んだり、歯を支える骨が溶かされて歯がグラグラと揺れたりします。
重症の歯周病になると、むし歯になっていないきれいな歯でも失うことになります。
歯周病には4つのSの頭文字をもつ特徴があります。
◆Silent disease(まったく痛みがなく静かに知らないうちに進行する病気)
◆Social disease(誰もがなりうる、そして多くの人がなっている社会的な病気)
◆Slowly progress(ゆっくりゆっくり進行する病気)
◆Self controlable(自らケアすることである程度の予防が可能な病気)
40代の6~7割は歯周病におかされているといわれるほどポピュラーな病気。でも自覚しづらいので厄介なのです。
そこで、最後のS(Self controlable)が歯周病治療の重要なポイント。
完全に治すことはできないにしても、自らのお口の清掃で歯周病の進行を防ぐことができるのです。
つまり、毎日のお口のお手入れが大切。
上のチェックで0点以外の方はお口の清掃を見直すだけでも症状を改善できるのです。
歯科医院においての歯周病治療では、ハミガキなどによる清掃方法を教えたり、こびりついた汚れや歯石をとったりしますが、これは治療というよりお口のお手入れのお手伝いです。
毎日のケアはあくまでもご本人が主体なのです。
つまり、自分で治せる数少ない病気のひとつといえるでしょう。
重症になってからではなく軽症のうちに適切なお手入れ方法をマスターしておけば、かなりの程度が予防できるのです。
最近では歯周病と全身の病気(心臓血管疾患、糖尿病、感染性心内膜炎など)との関連が明らかとなってきています。
歯周病をあなどらず、早めに予防するのが得策です。
そのために歯科医院をどんどん利用してくださいね。