パタカラを使ったクチビル健康法 その1
最近、エチケットとして気になることのアンケートで必ず上位にランクされるのは口臭です。
口臭予防グッズの売上は伸び盛りだとか。
口臭の原因となるのはお口の中の歯周病菌が出す臭いであることは皆さんに知られるようになりました。
ところが、実はそれだけではありません。
のどの奥にも臭いの原因が潜んでいます!
歯を磨いているのになかなか歯周病が改善しない方、あるいは歯周病ではないといわれるのに口臭があるというかたは、今回ご紹介するリップトレーニングで改善するかもしれませんよ!
お口は唾液で守られている
お口の中になくてはならないもの、それは唾液です。
唾液のもつ抗菌作用や自浄作用によって、お口の粘膜は常に守られています。
鼻で呼吸して、お口の中がいつも唾液で潤っているのが理想的。
ところが口呼吸をして乾燥状態になると、歯周病が悪化したり、のどの奥の扁桃腺に炎症を引き起こします。
それが口臭を発生する原因となるのです。
もし、日頃からお口で呼吸しがちであったら、できるだけ鼻での呼吸に変えて乾燥しないようにすることが大切。
特に寝ているときに乾燥しがちですので、口唇筋力トレーナーを利用して口呼吸を減らすことがお口の健康に役立ち、口臭を予防するのです。
のどの奥に口臭の原因!?
皆さんはご自分ののどをのぞいたことがありますか?
鏡で見てのどの奥の両脇に、アーモンドのような形をした親指程度の大きさの、たくさん穴があいたふくらみがあることに気づくでしょう。
これは口蓋扁桃といいます。
他にも、見た目にはわかりにくいですが、咽頭扁桃、舌根扁桃などの「扁桃腺」があります。
ここは、お口の中に入ったバイキンを体に通さないための関所で、バイキンが入ろうとするとたくさんのリンパ球が集まって攻撃して防ぎます。
穴があいているのは表面積を多くして効率よくバイキンを殺すためと考えられており、死んだバイキンの死骸や食べ物のカスがたまって膿栓(のうせん)という臭いのある物質を作ります。
正常な人でもこの膿栓は作られますので、特に症状がなければ放置して構わないものです。
ところが、のどの奥に慢性の炎症があると臭いの物質がたくさんできることになります。
風邪や高熱の時、あるいは口呼吸のときに起こりやすくなります。
風邪などでは体調が回復すれば自然と臭いもおさまりますが、習慣的な口呼吸の場合はそれが治らない限り臭いは続くことになります。
特に寝ているときには無意識に口で呼吸しがちなので、朝起きるとお口が乾いている、のどがかさつく、いがらっぽい、ヒリヒリするなどに気づいたら口呼吸していることに間違いありません。
扁桃腺が戦い続けているはずです。
どうやって口呼吸を鼻呼吸にするの?
口で呼吸することが、歯周病を悪化したり、のどの扁桃腺で臭いの物質をたくさん作る原因となることをお話しました。
ではどうしたら口呼吸を鼻呼吸にできるでしょうか。
ここでお勧めするのが口唇筋力をアップするリップトレーナー「パタカラ」です。
歯科医師が開発した、口の周りの筋肉を刺激して自然に鼻呼吸しやすくする装置です。
「パタカラ」というちょっと変わった名前は、脳卒中や脳外傷によってしゃべることが上手く出来なくなった方の訓練で、顔・口・舌の筋肉を再活性化させる目的で「パパパ」「タタタ」「カカカ」「ラララ」と発声することから採ったそうです。
この特徴はなんと言ってもご自宅で好きなときに気軽に使えること。
しかもお子さんから要介護のお年寄り、あるいは脳卒中の方まで、健康増進やリハビリとして幅広く活用できる装置です。
当院では矯正治療の一環で利用し、お子さんの口元がぐっと良くなる経験をしてこの効果を確認しています。
ぜひ口臭にお悩みの皆さま、あるいはいつものどの調子が良くない方、風邪を引きやすい方にもお使いいただきたいと考えています。
使い方は簡単。
ご自分にあったリップトレーナーを選び、歯と唇の間にいれて上下の唇をつぐんだまま1回3分、1日4回を目標にお使いいただくだけです。
あるいは装置を引っ張り、それでもはずれないように唇をつぐむトレーニングをするとさらに効果的で、2~3週間で自然と鼻呼吸するようになるといわれています。
ちなみに、当院の看板息子たち(6歳と4歳)でも簡単に使えました。
親子で仲良く練習すると、ちょっと面白くて楽しいですよ。
終わりに
リップトレーナー「パタカラ」はすでに市販されており、数多くのテレビや雑誌で紹介されています。
開発から4年で15万人の方がご利用になったとのこと。
これは、鼻呼吸促進による口臭の予防だけでなく、イビキの防止、顔やせ、リハビリ等に広く効果が現れることが報告されているからです。
どなたでも活用できる「クチビル健康法」として、ぜひ気軽にお試しいただきたいと考えます。
トピックス第二弾として「リップトレーニングでイビキをなくせ!」を掲載します。
イビキはうるさいだけでなく、最近注目を集めている睡眠時無呼吸症候群といわれる重大な健康障害の兆候でもあります。
お楽しみに!
※「パタカラ」は平成19年より、医療用器具として認定を受けた「メディカルパタカラ」になりました。