花々は美しく、さわやかな風が心地よい5月だというのに、外出自粛の続く日々はまことに残念なこの頃。
せっかくのゴールデンウイーク、なかなかできない部屋の片づけや長編小説の読破など、巣ごもり生活満喫を計画する副院長です。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか?
さて、新型コロナウイルスに苦戦する最中ですが、ウイルス感染とお口の健康に関わりがあることをご存じでしょうか?
インフルエンザウイルスの感染については、口腔衛生状態が良いほど罹患率が下がることが報告されています。
例えば、高齢者の施設で毎日の口腔ケアを取り入れると、インフルエンザ感染者が減るのです。
(日本歯科医師会のサイト:日歯8020テレビでも紹介されていますhttps://www.jda.or.jp/tv/96.html)
(こちらは日本歯科医師会のキャラ「よ坊さんとはみがき子」)
お口の中には様々な菌やウイルスが入ってきます。
これらから体を守るのが免疫機能で、お口はその戦闘の最前線であると言っても過言ではありません。
防御隊は、私たちが意識することなく、常に外界からの敵と戦ってくれるのです。
ところが、お口の中に健康を脅かす菌やウイルスが慢性的にワイワイといたらどうでしょう?
ハグキや頬の粘膜、舌のそこここに陣を張り、野営を続けては日々小競り合いを繰り返す。
気が休まることのない慢性的な戦闘状態!
防御隊は疲弊して、もしここに新しい敵がさらに押し寄せたらと考えただけでげんなりです。
お口のケアを大切にするというのは、このワイワイいる敵を日頃から取り除いて、防御隊が余裕で新しい敵を迎え撃てるように手助けするものなのです。
例えば、敵のひとつ、歯周病菌をあげてみましょう。
歯周病菌はウイルスが体内に入り込む手助けとなる酵素を出すことがわかっています。
つまり、ウイルスにとってはお口の中に応援サポーターがいるわけで、たくさんいるほど元気に活躍できるわけです。
しかも、歯周病菌はヒトの血液中の鉄分などが大好物。
空気は嫌いなので、歯とハグキの隙間(歯周ポケット)に陣取り、好物を得るためにハグキを壊して血を出すぞ~と日夜働いているわけです。
皆さんが経験する「ハミガキでハグキから血が出る」のは、歯周病菌がハグキの組織を壊して毛細血管をもろくした証拠です。
血が出る、ということは血管が破壊されて私たちの体が開かれたということです。
体内への入口が開いてる!
守るべきお城の城壁が崩れている!
体というお城の中に菌やウイルスがなだれ込んだら、防御隊は内外で本格的な戦闘を繰り広げるしかありません。
これが体内への感染です。
日頃から歯周病で城壁が弱っている方は敵からの攻撃に弱く、感染リスクが高いのです。
歯周病を改善することは、ウイルスの応援サポーターを減らし、様々な外敵の侵入を防ぐ強固な城壁を保つことなのです。
お口の健康管理が、体を守ることにつながるのです。
1)お口の中の敵を少なくし、城壁を壊されないように守るプラークコントロール
2)防御隊が元気で強くあるための食事や運動
3)お口の戦場を洗浄して防御隊を優位に立たせる唾液分泌促進作戦
私たちが体を守るためのお口の健康管理3本柱、今こそ見直す価値があると考えます。
歯科医療だからできる体の守り方をこれからも広めなくては!
と気合が入る五月です。
日本100名城にも選ばれた丸亀城(香川県)
この石垣のように、強堅(強健)で美しいハグキでありたい!