義歯(入れ歯)のつくり
義歯(入れ歯)は、失った歯の代わりに入れる、取り外しタイプの人工の歯です。
ひとくちに義歯といっても、お口の中に残る歯の位置や数によって入れ歯の種類は様々。
まさしく十人十色で、それぞれの方の歯型で作るオーダーメイドです。
すべての歯を失った方は総義歯、歯が残っている方は部分義歯を装着します。
総義歯は、歯とハグキの部分とからできています。
ご自分の歯が1本もないので、すべてが人工の歯です。
歯を失ったあとの顎骨(土手の部分)に義歯をのせて、頬、舌などの筋肉や粘膜との吸着で位置を安定させます。
人工の歯は形や色をそろえることができるので、見た目はとても美しく、上手にフィットすると他人からは義歯とは気付かれません。
こちらは歯の無い方のお口の中です。
下の写真はすべての歯を失った方が使う総義歯です。
これに対して、歯が残っている方が入れるのは部分義歯と呼ばれます。
下の写真は一般的な下顎の部分義歯です。
部分義歯は、残っている歯をつかんで義歯をはずれにくくする金属製のバネ(クラスプ)や、人工の歯と歯を橋渡しするバーがついた義歯です。
これらの金属が表から見えると、見た目が美しくない結果となるため、多くの方が「入れ歯は見た目が悪い」と敬遠しがちです。
一般的な保険適用の部分義歯では、残念ながら笑うと金属のバネが見えてしまうことがあります。
目立たない義歯!
近年、歯科の材料は格段の進歩を遂げています。
中でも、これまで金属だった義歯のバネ(クラスプ)部分が、金属以外の材料で作られるようになり、画期的な「目立たない義歯」が可能となりました。
歯をつかむバネも、義歯のハグキ部分と同じピンク色の素材で作られた、セレブデンチャーの登場です!
セレブデンチャーは弾力性が高い素材を使用しています。
ハグキ部分とバネの素材がつながった一体型なので、つけて目立たないのはもちろん、自然で違和感の少ない付け心地となっています。
患者さんからよく「物がつまりにくいので食べやすい」とのうれしい声をお聞きします。
金属がないので薄くて軽く、それもフィット感にプラスとなっています。
下の写真をご覧になっておわかりになるように、バネは歯をつかんでいますが、ハグキと同じ色で目立ちません。
セレブデンチャーを装着してみます。
義歯が入っているとはわからないくらい目立ちません。
これなら自信を持って笑えますね。
作り方と費用は?
セレブデンチャーは、通常の義歯と同じく患者さんの歯型を採り、それをもとに設計します。
噛み合わせの試適を行って、おおよそ1カ月程度で完成します。
残ったご自分の歯の状態によっては設計できない場合もありますので、まずは診察でご相談ください。
費用は、設計によって10~15万円(片顎1装置)となります。
修理しにくいのが欠点ですが、実際に当院で装着した方ではトラブルが非常に少ないのが現状です。
歯を失うと、通常は両隣りに残る歯があればブリッジとすることが多いでしょう。
でも、ブリッジは健康な歯を削ったり、元の冠や詰め物をはずして作り直すリスクがあります。
また、失った歯をインプラントで補う場合は、手術やその後の管理の難しさ、あるいは高額な費用(35~40万)という欠点があります。
義歯の場合は、健全な歯を削ることがほとんど必要ない上に、はずして磨けるのでお掃除しやすい利点があります。
歯を失った方々は、「義歯」というだけで毛嫌いせず、治療法の第1選択として美しく、付け心地の良いセレブデンチャーをぜひご検討ください。